4月3日
CAPベンチャーズ
ビジネス拡大に不可欠なのは紙媒体以外への意欲である!
マネージングディレクター
チャールズ A. ペスコ, Jr.氏
印刷媒体に比べ、電子媒体の伸び率は驚異的だ
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デジタルイメージング分野を専門とした米国有数のコンサルティング会社=CAPベンチャーズは、2002年4月下旬に第9回目の開催となるニューヨークのオンデマンドショーを主催するなど、オンデマンドプリンティングにおいても世界屈指の調査能力・分析力を誇っている。初日に行われたキーノートスピーチ(基調講演)では、同社のマネージングディレクターであるチャールズ
A. ペスコ, Jr.氏のスピーチからスタート。オンデマンド印刷をめぐる世界の潮流と、目指すべき方向を強力に打ち出した。
ペスコ氏はまず、印刷と出版を取り巻く大きなトレンドとして5つの要素を挙げた。
1.ウェブの一層の興隆
2.カラーオンデマンド印刷の進展
3.クロスメディアパブリッシング
4.エンドユーザーへの歩み寄り
5.業界の合従連衡――。
こうした流れが不可避である以上、「印刷関係者も単に印刷するというだけの姿勢を改めなければならない」と、ペスコ氏は強調する。事実、同社の調査によれば、2000には全体の25%だったノンプリントサービス(ウェブやCD-ROMでの納品)が、2005年には50%にまで達するという。
しかし「だからといって、印刷そのものから撤退するのではなく、これまで培ってきた印刷分野のコアコンピタンスに、ノンプリントサービス分野の設備やスキルを追加するべきである」とも、ペスコ氏は語る。すなわちデータベースマネジメントやドキュメントマネジメント、データマイニング、バリアブル印刷などの設備やスキルを加えていくことが重要になるという。
もちろんこれらの修得にはそれなりの負担が伴うが、こうした対応をしないままでの生き残りは極めて困難な状況であることを、ペスコ氏は力説した。
富士ゼロックス株式会社
経営課題に直結したソリューション実現の手段としてのODP
執行役員
インダストリーソリューションズカンパニー
プレジデント
玉屋喜康 氏
ビジネス環境の変化に伴って、ODPの役割も進化してきた
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DocuTechとColor DocuTechを携えて業界をリードする富士ゼロックスからは、執行役員でありインダストリーソリューションズカンパニーのプレジデントでもある玉屋喜康氏がスピーチ。日本経済を取り巻く大状況の解釈から、オンデマンドプリンティングへの早期参入の優位性を訴えた。
デフレと景気後退の同時進行による企業収益の悪化、外資参入の広がり、企業経営における社会的責任――玉屋氏はこの3点から、「部分最適から全体最適を目指した大規模なプロセス変革や社会的責任を果たすべく、企業は活動を強化している」と現状を分析。
そのための手法として、以下の4点のポイントがあるという。
1.企業リソースの有効活用を図り、意思決定を迅速に迅速に行うためのERP(Enterprise Resource Planning)
2.流通の効率化と調達コストの削減を図り、リードタイム短縮と在庫削減を同時に達成するためのSCM(Supply Chain Management)
3.顧客の声や商品をサービスに反映させ、顧客価格を向上させるためのCRM(Customer Relationship Management)
4.環境保全に向けての取り組みを支えるEMS(Environment Management System)。
いずれも大規模なプロセス改革の手法であり、これを実現するには社内外との間で従来以上に多くのドキュメントがやり取りされるというが、このように企業の経営課題に直結したソリューションを実現する手段として、オンデマンド印刷が進化していくとの考えを明らかにした。
そのためには「クライアント企業の動きに敏感に追随していくこと」「ノウハウと経験を蓄積すること」の重要性を訴え、この目的を達成するためにもオンデマンド印刷への早期参入を推奨。具体的なソリューションも紹介した。
エレクトロニクス・フォー・イメージング(EFI)
5つの「ビッグ・トレンド」が産業を変えていく!
C.E.O.
ガイ・ゲット 氏
すべてにおいて合理化が進む中、
印刷の可能性も広がりつつある
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プリンターや複写機のネットワークを支えるプリントコントローラーのトップメーカー、エレクトロニクス・フォー・イメージング(EFI)のC.E.O.、ガイ・ゲット氏は、産業を変革しうる5つの「ビッグ・トレンド」として次の要素を挙げた。
1.ドキュメントのカラー化。カラーのドキュメントは認識力や理解力に優れ、さらにカラー印刷された請求書はモノクロのものより30%も早く支払われるという。
2.バリアブル印刷。言うまでもなく、オンデマンド印刷ならば時間とコストの大きな節約になる。
3.処理能力の向上。CPUや伝送速度の向上により、より短時間で大量の印刷が可能になっている。
4.ワークフローの合理化。ITを始めとする技術の進展により、ワークフローが合理化されている。もちろん、この結果オペレーション時間やエラーが減り、印刷のキャパシティが増大している。
そして5つ目はモバイル化である。とりわけ同社は携帯電話やPDAからメールを送るだけで、電話番号のようにIDを割り振られたネットワーク上のプリンターを選んで出力できる「PrintMe(プリントミー)ネットワーク」を日本向けに開発しているだけに、オンデマンド印刷とモバイルとのより良い関係の探求についてはきわめて先進的である。むろんこの両者が結び付くことによって、新たなプリント需要が生まれることは言うまでもない。
これら5つの「ビッグ・トレンド」を、どうビジネスに結びつければいいのか――ゲット氏は、次のように提案する。
「まずシンプルに考えること。印刷というサービスをできるだけ簡単にするよう務めることが肝心です。そして先入観にとらわれずに、新たな製品やサービスを創造すること。さらに、学び続けることと巨視的にモノを見ることが肝心です」
4月4日
CAPベンチャーズ
アメリカ市場は カラーODPに燃えている!
グループディレクター
チャーリー・コア 氏
電子媒体の普及で、企業による印刷への見方も
変化してきた
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キーノートスピーチの2日目は、初日に引き続き米国屈指のコンサルティング会社、CAPベンチャーズからグループディレクターのチャーリー・コア氏が登場。米国におけるカラーオンデマンド市場の将来性について、豊富なデータを駆使して説明した。
全体的な傾向として、「オンデマンドプリンティングのテクノロジーが進歩し続けることで、コストと品質は向上する」「コスト面では、オフセット印刷と比肩しうるようになるだろう」「ビジネスに要求されるものが変化してきたこととテクノロジーの発達により、印刷のデジタル化はますます進む」「印刷のデジタル化により、ショートラン、ジャスト・イン・タイム、パーソナリゼーション・カスタマイゼーション、仕事のスピードアップなどが実現する」といった点を、コア氏は強調する。いずれも予測可能なことではあるが、米国市場をつぶさに見てきたトップレベルの調査会社ディレクターの口から出た言葉となると、説得力が違うのも事実だ。
コア氏はその後、「印刷機ごとの月収」「受注におけるカラーオンデマンド印刷の割合」「カラーオンデマンド印刷に対するバイヤー側の不満」といった調査結果を次々と披露して、米国におけるカラーオンデマンド印刷の現状を紹介。緻密な論理展開により、米国におけるカラーオンデマンド印刷が、現状の460万ドルから910万ドルと、約2倍に増えることを予見した。
ただし、バイヤー側にとっては品質とともにコストが大きな決定要因になっている。コア氏もまた、このコストこそがカラーオンデマンド印刷の普及を左右すると見る。さらにカラー品質の向上といった課題を満たすことができれば、プリンティング市場は一変するとも主張。確かに、カラーオンデマンド印刷が目下の課題をクリアしさえすれば、残るはメリットのみ。大きな進展は目前にあるのかもしれない。
キヤノン販売株式会社
クライアントの満足を満たす柔軟性を 活用してビジネスチャンスをつかめ
マーケティング・ソフト&サービス 担当取締役
土門敬二 氏
オンデマンドプリンティングには顧客ニーズを満たす
無限の可能性がある
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国内のオンデマンドプリンティングを牽引するトップ企業のひとつキヤノン/キヤノン販売。CAPベンチャーズのコア氏に引き続き演壇に立ったキヤノン販売マーケティング・ソフト&サービス担当取締役の土門敬二氏は、マーケットに対する考え方を披露した。
それは、「顧客主語」という耳慣れない言葉に集約される。
「言うまでもなく、お客様の立場に立って物事を考えることを指しております。この言葉を念頭に入れて考えないと、とかく『キヤノンはこう考えます』『キヤノンがご提供する何々は』となってしまい、本当の意味でお客様にご満足いただけることはないと考えております」と、土門氏は語る。むろん、「お客様」とはパートナーであり、プリントプロバイダであり、最終消費者たるクライアントである。このことから、最終的には「クライアントの満足に、プリントプロバイダのビジネスチャンスがある」と土門氏は見ているのだ。
では、クライアントが求める制作物にはどのようなものがあるのか。むろん多種多様ではあるが、土門氏は縦軸に「ショートラン」、横軸に「ジャスト・イン・タイム」を配したチャート図を使って説明。想像以上にオンデマンドプリンティングが対応できる印刷物の多いことをアピール。「特にバリアブル印刷こそがオンデマンドプリンティング最大の優位点」と強調しつつ、ジャスト・イン・タイムの対応など「顧客が望むことを実現することがビジネスチャンスにつながる」と語った。オンデマンドプリンティングなら、従来の印刷に比べてはるかに柔軟性の高い対応が可能だ。これこそすなわち、顧客ニーズへの対応力の高さを示すものだろう。
また土門氏は、プリントプロバイダにおける成功の秘訣として、「受注を集めるしくみ」など5つの点を挙げ、事例を紹介した。
ハイデルベルグ・ジャパン株式会社
ニーズに応じたソリューションで 付加価値の高いビジネスを
代表取締役社長 山本幸平 氏
カラーオンデマンドプリンティングの成長率は、
他をはるかに凌駕している
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独メーカーの日本法人ハイデルベルグ・ジャパンからは、山本幸平社長みずからが登場。オンデマンドショーに寄せる同社の熱意を示した。
とはいえ、同社の姿勢はオンデマンドプリンティング一辺倒というわけではない。「ハイデルベルグの印刷ソリューション」として、山本社長はニーズごとに4つのソリューションを展開するのだ。
すなわち、極少部数のページ物印刷、試し刷り、増刷などに関してはモノクロ高速デジタル印刷で、オンデマンドカラー印刷、小ロットカラー印刷、試し刷り、増刷にはカラー高速デジタル印刷で、小ロットから中ロット、短納期かつ印刷品質の高さが望まれるならダイレクトイメージング印刷で、そして中ロットから大ロット、高級印刷品質にはCTPやオフセットで対応するというものである。さらに、「場合によってはそれぞれの印刷法を組み合わせることで長所を伸ばし短所をカバー、これにより付加価値が高く高収益の望めるビジネス展開が可能になるばかりか、新たな市場の開拓にもつながる」と語った。
ニーズに応じた棲み分けとも言うべきソリューションだが、このように柔軟な対応こそがビジネスを効率化し顧客満足につながることは言うまでもない。そのためのソリューションとして自社システムを紹介した後、デジタル印刷市場の分析と予測を展開。山本氏は「ドキュメント市場とグラフィック市場の融合で拍車がかかる」との見方を示した。そしてまた、2005年までの成長率においてカラーオンデマンドプリンティングが他を圧倒しているという見解を明らかにした。むろん小ロット、バージョニング・パーソナリゼーション、カスタマイゼーション、フルバリアブル印刷といったメリットも高く評価、マーケティング的観点からも無視できない存在であることを強調した。
サイテックス デジタル プリンティング インク
バリアブルとカラーをカギに 今後10年間で業界は一変する
日本&アジアパシフィック地区 副社長 カゼム・サマンダリ 氏
サマンダリ氏は、デジタル印刷をめぐる
世界的なトレンドを語った
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印刷会社で使われるワークステーションなどでも知られるサイテックス社は、世界各地で企業活動を展開するグローバル企業だ。
冒頭では「私の言いたいことは、すでに前の3人が述べている」と聴衆の笑いを誘った。すなわちジャスト・イン・タイムやCRMといったマーケティング的見地からの重要性は、繰り返し述べるまでもないというところだ。むろん来場者の大半は、こうした考え方の大切を理解しているはず。
とはいえ、やはり話の内容はこうした考え方に沿ったものとならざるをえない。たとえば場内がリラックスしたところで、オフセット印刷機とDocuColor、そして自社のScitexBCPでの出力結果を聴衆に比較させたが、自社製品の品質については謙遜しつつもスピードとコストのアドバンテージを強調した。むろんスピードとコスト面においてアドバンテージを強調するのは当然のことだが、この2つの要素はますます重要になっているのが現状なのだ。
「欧米から学ぶのではなく、日本から学んだことを他の市場で展開することを考えている」と語るサマンダリ氏は、印刷業界が今後10年間で大きく変貌を遂げることも予言。とりわけバリアブル技術とカラーオンデマンドにより、パーソナリゼーションとコミュニケーション価値の増大が進む点をアピールした。
今後の印刷およびその周辺企業については、「印刷会社や出力のサービスビューローがひとつのオペレーションの組織になっていく」とし、「コストではなく、プロフィットを重視すべき」とも提言。そのためには優れたオペレーションが必要であり、さらに「顧客ベース」の姿勢を高めることも強調した。自社に関する紹介もあり、最後には同社のカラーオンデマンドプリンター、VersaMarkの説明をビデオで行った。
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